歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

洋楽ときどき邦楽。好きな歌の和訳に歌の解説とエピソードを。思い出も添えて。

ドラマと主題歌の感想 : 9ボーダー - 主題歌名: Romantic (SEKAI NO OWARI)

今回は2024年の春期(4月から6月)に放送されたドラマとその主題歌の感想の感想を書き綴っていきます。

一応、歌詞和訳ブログを謳っているので邦楽は少なめですが私はドラマをよく見ます。
ふとドラマと主題歌の感想も書きたいなと思い、どちらも好きになったものをピックアップしてそれぞれの感想を気楽に書いていきたいと思います。

ネタバレはなるべく避けますが読むとわかってしまうところがあるのでこれからドラマを見るという方はご注意ください。

 

ドラマ・タイトル:9ボーダー

 

ドラマ 感想

 

「9ボーダー」は川口春奈さん主演のヒューマンラブストーリーです。

最近、主題歌が気になると恋愛ドラマも見るようにしているのですが、プライム帯は万人向けのほっこりするドラマが多く感じます。

ポイントは非現実感を交えて現実的な恋愛のように見せることでしょうか。
現実には起こらなそうことに現実味をだしてドラマとして視聴者に楽しんでもらうという役割もありますね。

今作もほっこり見れる恋愛ドラマで金子ありささん脚本のオリジナルストーリーです。
金子さんの経歴をWikiで見る限りは大ヒット作があるかというと???でした。(失礼!)

 

このドラマは魔法だとか過去未来を行ったり来たりといった非現実感はないですが、ちょうど10歳離れた仲の良いオシャレな姉妹がいるのか、ご近所さんとこんな仲良いか、辞めた会社と良好なビジネス関係が続くのかとか、舞台となる清澄白河ってこんな下町っぽい商店街あったっけとツッコミどころは結構あります。
記憶喪失の御曹司とひょっこり出会って恋に落ちるというそもそもの部分もツッコミどころでしょう。

だからって悪いドラマってことはなく、そこはドラマなんで...と切替えてこの和み感を楽しむのが恋愛ドラマのだいご味でます。

 

キャストについては川口春奈さんがさすがの今旬感でした。
既に主役級女優のオーラは十分だし、とても綺麗なのですが、ドラマの普通のアラサー女性とアンマッチにならない親近感や表情の豊かさが魅力的でした。
若い俳優さんも多数出てましたが春奈さんにひきずられて魅力が出てたと思います。

ドラマを通していろいろ事件が起こりましたが、最後の町の再開発の解決(した訳ではないですが)が急すぎて、10話まであったのならもうちょっと前から引っ張ってハプニングを起こしたりした方がドラマのドキドキ感が出たような気がしました。

後は舞台となる銭湯をはじめロケ地の光景が温かみがあってカラフルで綺麗で楽しめました。
個人的には隅田川下町風景が色々見れたのもこのドラマを見続けた理由です。

 

主題歌 感想

『9ボーダー』最終回 x SEKAI NO OWARI 「Romantic」スペシャルMV  [TBS]

 

主題歌はSEKAI NO OWARI の[Romantic]です。
セカオワは今月初めに私もライブに行って来て下でレポートしました。

xocky.hatenablog.com

 

ドラマを見ている間ずっとこの[Romantic]って曲は何を歌っているのだろうという謎を抱えてました。

歌詞の中で春・夏・クリスマス・冬と季節が一巡するのが桜の季節で始まりクリスマスで終わるこのドラマとリンクしているなという程度でした。

この曲を作詞したFukaseは次のように語ってます。

 

先日結婚した妹が、今のパートナーに出逢う前の時期をモデルにして歌詞を書きました

 

Fukaseの妹が前と今でどう変わったかまではわかりませんが、改めて歌詞を追って聴いてみるとドラマで度々出てくるセリフである「幸せって何」「自分のままでいること」が頭に浮かんできます。

まず歌い出しのこのフレーズです。

 

魔法が解けてどれくらい
前はどう見えてた?この世界
優しい嘘で包んでよ
春が来るって誰かが

歌の冒頭ですがこの歌の主人公が何かを吹っ切った印象をいきなり受けます。そして主人公の人生に本当の春が訪れる気配が感じられます。
それだけ印象的な歌い出しです。

 

その後の歌詞には以前の主人公の様子が歌われているように感じます。
日々の生活で訪れる幸せを当たり前のこととしか考えてなかったり、斜に構えて素直になれない様子がうかがえます。
季節が変われば着たくもないのに当たり前のようにとりあえず衣替えをして居心地悪くなる自分自身を自嘲するかのような歌詞が続きます。

 

そしてちょっと違うのが最後のフレーズです。

冬が来るなんて言うけれど
まだ秋服のままの私
温かい君の冬服が
私、案外チョロいみたい

冬が来たのに主人公はまだ秋服で"君"はもう冬服になっている。
まだ寒くはないんだから秋服でいいんじゃない。
こんな風に考えるって案外簡単だな。
意外とチョロいなと何か心境や考え方に変化があったことが分かります。

 

世間に流されていたり固定観念に囚われていた自分が変わっていき、いつしか自分のしたいように行動している印象を受けました。

幸せも自分らしく生きることも考え方次第っていうことを歌っているように思えました。

そして歌詞にはロマンティックという言葉が一言も出てこないけど、成長・幸せ・季節の彩りと、ほのかな恋愛を感じさせ、音もポップでちょっと切なく[Romantic]というタイトルにしっくりきます。

 

それでも何度か歌詞を見たくらいでそんな簡単な感想では語れない、違うかもしれないと思わせるのが今のセカオワにあり、不思議な感覚がこの歌にもあります。

ドラマをより味わい深くすること歌っているかもと思わせるナイスなタイアップです。

そして映像の鮮やかさにこだわったと思われるドラマとこの主題歌の相乗効果はたしかにあったと思います。

ドラマの中でもセカオワのいろんな曲がかかっていたし、主題歌とそれを歌うアーティストに恵まれたなと感じたドラマでした。

 

ではまた。