歌詞和訳 〜キラクにキママにマジメにホンヤク〜

洋楽ときどき邦楽。好きな歌の和訳に歌の解説とエピソードを。思い出も添えて。

アルバム全曲和訳:Lunch - Billie Eilish

今日はBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)Lunch(ランチ)です。
直訳は「昼ごはん」ですね。


一聴した限りではビリーの[Bad Guy]を思いだすクールでポップな曲です。
どんな歌詞の曲か聴いてみます。

歌詞と和訳だけ見たい方は下の目次の「歌詞/和訳」クリックしてください。

 

 

ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト

 

ザ・トラック・オブ・ザ・デイ

  • トラック名: Lunch (ランチ)
  • Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)
  • 収録アルバム: Hit Me Hard And Soft (ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト)  *Track 2
  • アルバムリリース日:2024年5月17日

ビリー・アイリッシュは、アメリカはカリフォルニア州ロサンゼルス出身のボーカリスト、シンガーソングライターです。

今日はビリーの2024年5月17日にリリースされた3枚目のオリジナル・アルバム「Hit Me Hard And Soft (ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト)」から、2曲目の[Lunch]です。

2024年5月にリリースされた約3年ぶりとなるサード・アルバムが[Hit Me Hard And Soft]。
セカンド・アルバムではリード・トラックとしてシングル曲をリリースしていき話題を集めてからのアルバムリリースでしたが、今作はリードシングルや既発曲は一切なし。
ベールに包まれた形でのリリースとなりました。

ビリーも今作について「シングルは出さないよ。全曲を一度に聴いてもらいたいから」と言っており、プレスリリースでは「幅広い楽曲が揃い、しかし全体として繋がりもある」(Rockin' On 6月号)となっています。
コンセプチャルであることが想定され、アルバム通して43分と一気に聴きやすい作品になっています。

 

そんなアルバムからPVが公開された[Lunch(ランチ)]を聴いてみます。
PVもビリーのハンドクラップ等のちょっとしたムーヴがカッコ良い仕上がりになってます。
ビリーはNME に掲載されている公式インタビューでこの曲について下のように話してます。

「“LUNCH”についてはすごく楽しい曲だと思う。この曲は、フックを思いついた瞬間に2人で『これはいい曲になる』って思ったんだ。最終的にどのような曲になっても、すごくいい曲になることは分かってた。分からないけど、すごくポップな曲で、最初はそれが少し怖かった。というのも、そうした世界に行くのは常に気が進まなかったりする。自分がそうした世界にいるとしてもね。でも、この曲は大好きだし、歌詞も器用で、楽しくて、クールだと思う」

nme-jp.com

アルバムの中でも数少ない特別なポップな曲になりそうです。

 

なお英詞は"genius.com"から引用し、Apple Music/Spotifyから補足しています。

和訳後の感想は歌詞の下に記載しています。

 

Billie Eilish - LUNCH (Official Music Video)

 

歌詞/和訳

Title : 
Producer : FINNEAS
Writer : Billie Eilish & FINNEAS

 

[Chorus]
I could eat that girl for lunch
Yeah, she dances on my tongue
Tastes like she might be the one
And I could never get enough
I could buy her so much stuff(*1)
It's a craving(*2), not a crush(*3), huh
"Call me when you're there"
Said, "I bought you somethin' rare
And I left it under 'Claire'"
So now, she's comin' up the stairs
So I'm pullin' up a chair
And I'm puttin' up my hair

あの子をランチにして食べてしまえる
そう、私の舌の上で踊っているの
極上の味だけど満足しない
私は満たされてないんだ
あの子にたくさんのものを買ってあげた
片思いというよりは切望かな
「いたら電話して」
「面白いものを買ってあげたよ、
Crlaireと書いたサインの下に置いてあります」って伝言しておく
あの子が階段を上って来た
それで私が椅子を引き、
髪を束ねている

 

[Verse 1]
Baby, I think you were made for me
Somebody write down the recipe
Been tryin' hard not to overeat
You're just so sweet
I'll run a shower for you like you want
Clothes on the counter for you, try 'em on
If I'm allowed, I'll help you take 'em off
Huh

ねぇ、君は私のためにいるんだって思ってる
誰かレシピにしてよ
食べ過ぎないようにしないと
君がとても甘くて美味しいから
君のためにシャワーを浴びる
服を買ってあるよ、ぜひ来てみてね
良かったら着替えを手伝うよ
はぁ

 

[Chorus]
I could eat that girl for lunch
Yeah, she dances on my tongue
Tastes like she might be the one
And I could never get enough
I could buy her so much stuff
It's a craving, not a crush, huh

あの子をランチにして食べてしまえる
そう、私の舌の上で踊っているの
極上の味だけど満足しない
私は満たされてないんだ
あの子にたくさんのものを買ってあげた
片思いというよりは切望かな

 

[Post-Chorus]
Oh, I just wanna get her off(*4), oh
Oh
Oh, oh
Oh

ああ、私はただあの子と仲良くなりたい


[Verse 2]
She's takin' pictures in the mirror
Oh my God, her skin's so clear
Tell her, "Bring that over here"
You need a seat? I'll volunteer
Now she's smilin' ear to ear(*5)
She's the headlights, I'm the deer

あの子は鏡に向かって写真を撮っている
なんて肌が綺麗なのだろう
あの子に「ここに来て」と言ってみる
座りますか? 譲りますよ
あの子はにっこり笑っている
あの子はヘッドライトで、私は鹿

<<ここは「あの子の輝きに照らされて動きが止まってしまった」という意味だと思われます>>

 

[Bridge]
I've said it all before, but I'll say it again
I'm interested in more than just bein' your friend
I don't wanna break it, just want it to bend(*6)
Do you know how to bend?

前にも言ったけど、また言うね
君の友達以上になりないんだ
今の関係を壊したくない、君の心を傾けたいんだ
どうしたら振り向いてくれるのかな

 

[Chorus]
I could eat that girl for lunch
She dances on my tongue
I know it's just a hunch
But she might be the one

あの子をランチにして食べてしまえる
そう、私の舌の上で踊っているの
単なるかたまりだってしっているけど
極上なんだ

 

[Outro]
I could
Eat that girl for lunch
Yeah, she
Tastes like she might be the one
I could
I could
Eat that girl for lunch
Yeah, she
Yeah, she
Tastes like she might be the one

あの女の子をランチにして食べてしまえる
そう、私の舌の上で踊っているの
極上なんだ
あの女の子をランチにして食べてしまえる
極上なんだ

 

注釈

(*1) stuff         物事、事柄、スラングとして麻薬・ヘロインの意味
(*2) crave     〔~を〕とても欲しがる、〔~を〕強く望む、〔~を〕切望する(by 英辞郎)
(*3) crash    〔一時的な〕心のときめき、恋、片思い(by 英辞郎)
(*4) get off    仲良くなる、親しくなる
(*5) smile from ear to ear    満面の笑みを浮かべる
(*6) bend     〔物・意志を〕曲げる、〔心を~に〕傾ける[向ける](by 英辞郎)

 

トラック・インプレッション

この歌には"you"と"she"の二人称、三人称の言葉を使い分けてますが、「ランチにして食べてしまいたい」という非現実的(想像なのかも)な表現は"she"を使い、"you"を使っているときはビリーの現実に基づいた歌詞なのかな、と感じました。

もしかしたらとても美味しいものを食べている時にふとここで歌われる関係の相手を思い浮かんで書いた曲なのかなとも思いました。

 

ビリーの恋愛対象が女性であることは今やしられていることですが、"she"が歌詞に使われていることからやはり対象の相手は女性なのでしょう。

ただ今の時代なので、"she"を「あの子」、"you"を「君」と訳してみました。

それでも性的嗜好によってか相手から自分が恋愛対象に見られることがなく、満足できない気持ちや、良い友達の関係から友達以上の関係にはどうしてもなれないもどかしさや切なさ、相手に振り向いてもらうにはどうしたら良いのだろうという葛藤も歌われています。

それでもアルバムの中で一番ポップな曲で、このPVのビリーは、表情やダンスも、カラフルでカジュアルな服もとても可愛らしいです。

[Bad Guy]以来、久々にクールでポップなビリーの弾けた様子が彗星の如く現れたキラキラした頃を思い出させてくれます。

 

なお、このアルバムの1曲目の[Skinny]も和訳してますので良かったら見てください。

xocky.hatenablog.com

 

ではまた。

 

ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト

ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト

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